代謝内科医の濱澤です。これから春・夏に向けてダイエットしやすい季節になってきました。そこで今回はダイエットについて何回かに分けてお話させていただきます。
これまでダイエットにチャレンジしても失敗したり、せっかく痩せたのにリバウンドしてしまう方も多いかと思います。そこで今回は私が過去に勤務していた病院で実施している肥満症の方へ指導している4ステップのノウハウをお伝えしたいと思います。ダイエットを進めるうえでの参考になれば幸いです。
- 減量の具体的なメリットを知ること
- 半年後に逃れられない目標を作ること
- 減量の具体的なノウハウを知ること
- 習慣化するテクニックを知ること
この4STEPは順次お話していきますが、まずは肥満について簡単にお話したいと思います。
肥満とは脂肪が過剰に蓄積した状態であり、下記の表に記載します。日本と米国では肥満の基準が違いますが、米国では基準が緩いわりに肥満率が高いのが分かりますね。

肥満には程度によりBMIで分類があります。みなさんはどれに当てはまりますか?
また、言葉の定義の問題ですが、肥満と肥満症はやや異なり、肥満の人のうち高血圧や脂質異常症などの健康障害がある人、または内臓脂肪蓄積がある人を肥満症と言います。

さらに、肥満症には内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に分けられます。確定診断は腹部のCT検査で内臓脂肪面積を計算しますが、簡易的にウエストを測って判断することも多いです。内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型と比較して生活習慣病を発症しやすいですが、減量により減少しやすい特徴があります。ですから、食事療法や運動を努力して実施する価値はあるということです。
1kgやせるメカニズムとは!?
1kg減量するためにはどの程度運動して、どの程度の食事量にしたらよいでしょうか?具体的にどういった理論で1kgやせられるのかについて解説していきます。もちろん、これからのお話は理論上のお話で、必ずこうなるという訳ではありませんが、およその数字の感覚は持っておいて頂いてもよいかと思います。
まず、1kgの脂肪を燃やすのに7000kcal消費する必要があります。ちなみに1kgの脂肪を抽出してくると、およそ500ccのペットボトル2本分に相当します。

それでは、その7000kcalを消費するのに関わってくる要素を見ていきましょう。図のように、簡単に蓄えられるエネルギーから消費されるエネルギーを差し引くことで1日のマイナスバランスが計算できます。蓄えられるエネルギーには食事、間食、飲み物などがあり、消費されるエネルギーとしては基礎代謝、運動、DITがあります。DITとは食事を消化・吸収する際に消費されるエネルギーのことで、おそよ1日200kcal程度で、タンパク質が最もエネルギーを消費します。これらの要素については、後々お話できればと思います。

では、具体例として30歳男性のパターンを挙げてみます。食事摂取エネルギー1600kcalから基礎代謝量1700kcal、運動消費エネルギー200kcal、DIT(熱産生エネルギー)200kcalを差し引くと500kcalのマイナスバランスとなります。最初にお話した7000kcalを500kcalで割ると14日間となります。つまり、こういった生活習慣と基礎代謝量の人では概ね14日程度で1kg減量できる計算となります。
こういった計算があることを多少は知っておいてもらってもよいかと思いますし、体重のプラス・マイナスバランスに関わる要素を深掘りすることで、減量について理解が進むと思いますので、次回からお話していきます。