糖尿病専門医の院長の濱澤です。今回は糖尿病とその合併症についてお話させていただきます。
糖尿病とは
糖尿病は高い血糖値が続く病気です。食物から得たブドウ糖が、体内で有効に利用されずに血液の中に多くとどまって、血液中のブドウ糖(血糖)の量が過剰になってしまう病気のことです。
糖尿病は血糖値が例えば200mg/dL前後といった少し高めに推移していても、それだけでは不調に陥ることはほとんどありません。しかしながら、気づかないうちにこの高血糖が続くと、糖尿病合併症が進みます。この合併症が怖いのです。糖尿病合併症は、日常生活の質(QOL)をしだいに悪くし、命にもかかわることがあります。高血糖の症状には例えば、のどの渇き・倦怠感・多尿・体重減少などがありますが、こういった症状を自覚するには例えば血糖300mg/dL前後とかなりの高血糖とならない限り、気づきません。少々の高血糖では気づかないため、その間に合併症が進んでしまう、まさにここが糖尿病の難しいところです。ですので、定期的な健診や気になる方はクリニックで検査を受けましょう。
糖尿病合併症とは
糖尿病3大合併症には、網膜症(目)、神経障害、腎症があり、そのほかにも心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化による疾患、歯周病、足病変などがあります。
歯周病と糖尿病の関係が深いことは以前トピックスでお話させていただきましたので、今回は糖尿病3大合併症についてみていきたいと思います。
・糖尿病網膜症
初期はほとんど症状がないことが多いですが、進行すると新生血管というもろい血管が生まれ、少しの刺激でも出血しやすくなります。それにより急激な視力低下や失明を来すことがあります。成人で失明する原因の第1位は緑内障ですが、2位はこの糖尿病網膜症によるものです。糖尿病と診断されたら早期に眼科を受診して眼底検査を行いましょう。
・糖尿病性腎症
腎臓の機能が低下して、血液の中に老廃物がたまったり、栄養分が尿にもれだす病気です。進行すると腎不全となり、透析が必要になることもあります。人工透析が必要になる原因の第1位がこの糖尿病による腎不全です。
腎症の初期の徴候が微量アルブミン尿です。さらに腎症が進むと通常の検尿でタンパク尿が検出されるようになります。微量アルブミン尿の時期に腎症を発見し、血糖の管理を徹底することで進行を予防しましょう。この微量アルブミン尿は当院で測定することができますので、ご心配な方はご相談ください。
・糖尿病神経障害
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、足や手などの感覚や運動を司る末梢神経や、心臓、血圧や胃腸の動きを司る自律神経の障害が起こります。また、糖尿病による神経障害や血流障害が原因で糖尿病足病変をきたすことがあります。足病変が進行し最悪の場合、足や下肢の切断が避けられない場合があります。当院には糖尿病認定看護師で下肢救済・足病学会認定師が在籍しておりますので、足のことでご不安な方はフットケアで足の状態をみて処置させていただきます。フットケアとは足の爪切りや巻き爪、胼胝(タコ)、乾燥など足の様々な悩みについて診療させていただきます。
このように糖尿病はコントロール不良が続くと、様々な厄介な合併症をきたしてしまうことがあります。当院では糖尿病の治療から合併症の管理、フットケアまで対応しておりますので、ご心配な方はお気軽にご相談ください。糖尿病をしっかりコントロールし、合併症が進行しないように健康管理をしていきましょう。