内分泌代謝・糖尿病専門医の院長の濱澤です。今回は更年期症状とも間違われやすい甲状腺のご病気について解説させていただきます。
甲状腺ホルモンの異常は、体調を崩す原因となりますが、原因がわからないまま放置してしまうケースが少なくありません。それは健康診断でもオプションで追加しないと甲状腺ホルモンは測定されませんし、甲状腺疾患の症状は更年期症状と似ており、そのまま放置されることがしばしばあります。今回は自宅で簡単にできる甲状腺の異常をチェックする方法をご紹介します。
①体重の変化
生活習慣に変化がないのに、急な体重増加や減少がある場合は注意が必要です。1〜2ヶ月の間に3kg以上の変化がある場合は、甲状腺の検査でスクリーニングすることをお勧めします。甲状腺機能低下症では体重増加、甲状腺機能亢進症では体重減少が見られます。
②疲労感の変化
甲状腺機能低下症でも亢進症でも疲労感や倦怠感を感じることが多くなります。特に甲状腺機能亢進症では落ち着きがなくなったり、集中力が低下したりすることがあります。加えて精神的な変化もきたすことがあり、甲状腺機能亢進症では、イライラや不安感が強くなり、甲状腺機能低下症では、抑うつ傾向が見られることがあります。
③首の腫れ具合の変化
首の前側に腫れや膨らみがないか確認します。水や食べ物を飲み込むときに、首の前側に動くしこりや腫れを感じる場合は、甲状腺の腫れの可能性があります。
④便の回数や性状の変化
甲状腺機能低下症では便秘になりやすく、甲状腺機能亢進症では下痢や排便回数の増加が見られることがあります。
⑤寒がりや暑がりの変化
甲状腺機能低下症では、基礎代謝が下がり、寒さを感じやすくなります。甲状腺機能亢進症では、代謝が上がり、汗の量が多くなったりします。同じ環境にいて周囲の人と比べて、極端に暑がり・寒がりになった場合は、甲状腺ホルモンのスクリーニングをお勧めします。
⑥心臓の鼓動の回数の変化
甲状腺機能亢進症では脈が速くなり、甲状腺機能低下症では脈がゆっくりになる傾向があります。ドキドキするような動悸が気になる際は、心電図の検査や甲状腺ホルモンの評価が必要です。



甲状腺の異常は、初期症状が他の病気や更年期症状などと似ていることも多く、見過ごされてしまうこともあります。適切な治療を早期に開始することで、多くの場合は症状をコントロールし、健康的な生活を送ることができますので、上記のような気になる症状があれば専門医に相談することをお勧めします。当院では甲状腺専門医による専門的な甲状腺エコー検査や血液検査を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。