バセドウ病とは
内分泌代謝・糖尿病専門医の院長の濱澤です。今回は甲状腺ホルモンが過剰に出てしまうバセドウ病についてご説明させていただきます。
バセドウ病は女性に多く見られる自己免疫疾患で、女性では100人に1人程度が発症するとされています。特に20〜40代の女性に多くみられ、日本では甲状腺機能亢進症の約7割を占めるとされています。前回お話した橋本病と同様に免疫システムの異常が原因で発症しますが、橋本病は甲状腺機能が低下するのに対して、このバセドウ病は甲状腺機能が過剰に亢進してしまう病態です。そのため、体に出てくる症状も橋本病と逆の病態を呈することが多く、心臓の鼓動が速くなる動悸、多汗、体重減少、 手の震え、 イライラなどがあります。診断は血液検査や甲状腺エコー検査などを総合的に評価して判断します。なお、病気を放置したり、感染症や暑熱環境など強いストレスが重なると、甲状腺クリーゼと呼ばれる重篤な状態に陥ることがあります。甲状腺クリーぜを起こすと、状態が悪いと集中治療室での入院を余儀なくされ、致死率が10%以上と報告されておます。そのため、早期診断早期治療が重要で、適切な治療が実施されれば甲状腺クリーゼを引き起こす可能性は大きく下げられます。

バセドウ病の治療について
投薬の初期の注意点としては、メルカゾールの抗甲状腺薬の副作用には、軽度のものとして肝機能障害、かゆみ、筋肉痛、関節痛などがあり、これらは5%前後の頻度で発生します。一方、重度の副作用として、重度の肝機能障害、無顆粒球症(好中球の著しい減少)、ANCA関連血管炎などがあり、その頻度は0.1~0.5%程度とされています。これらの副作用は、投与開始後3か月以内に発生することが多いため、治療開始初期には2〜3週間ごとに採血を行い、経過を慎重にフォローすることが推奨されます。
バセドウ病の治療後について
大人の場合、再発率は2〜3割ぐらいで、再発するケースの多くは1年以内に再燃するので、寛解しても最初の1年間は少なくとも3か月に1回ぐらい、その後は半年に1回ぐらいの通院・検査が勧められています。何度も再発してしまうケースでは先ほど述べた手術やアイソトープ治療を検討します。
バセドウ病は、急性期は様々な不調をきたして日常生活に支障が出ることも多く、治療薬には副作用が多い上に再発しやすいという厄介な病気ですが、適切に治療すればコントロールできることがほとんどです。当クリニックでは、バセドウ病の患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、どうぞお気軽にご相談ください。