内分泌代謝・糖尿病専門医の院長の濱澤です。毎日昆布など海藻類を食べすぎると、甲状腺の機能が低下すると聞いたことがある方も多いかもしれません。では、今回どうして海藻類の過剰摂取は甲状腺の機能を低下させるのか、また影響する摂取量はどの程度かについて解説したいと思います。
甲状腺はヨウ素を使って甲状腺ホルモンを生成します。ヨウ素は昆布やひじきなどの海藻類に多く含まれている成分ですが、大量のヨウ素が体内に入ると、甲状腺は一時的にヨウ素の取り込みを抑えて、ホルモンの生成が停止されます。これにより海藻類の過剰摂取により甲状腺の機能が低下することがあります。なお、イソジンのうがい液にもヨードが含まれているため、これの頻回使用が影響することもあります。
世界的には約20%程度の人々が普段の食事内容に海藻類が少ない地域があり、その地域の人々は日常的にヨウ素不足と言われており、甲状腺機能低下症のリスクがあります。そのため、食塩などにヨウ素を加えることでその対策をしている地域もございます。一方で日本では海藻類を摂取しやすい地域のため、ヨード不足に陥ることはほとんどなく、むしろ過剰摂取のほうが問題になることがしばしばあります。

それでは海藻類の適切な摂取量ですが、昆布:1-2㎝程度/日、わかめ:数グラム/日、ひじき:小さじ1杯/日程度です。ポイントとしては、わかめやひじき、海苔などの昆布以外の海藻類についてはヨードの含有量は少ないため、そこまで気にする必要がありませんが、昆布は含有量が多いため、注意が必要です。昆布を毎日摂取している方や昆布だしを頻繁に使用している方は一度摂取量を考慮したほうがいいかもしれません。しかしながら、こういった海藻類は豊富な栄養素も多いため、心配して制限しすぎる必要もないかと思われます。
今回お話した甲状腺機能低下症や甲状腺に関わるご病気について、当院では血液検査や甲状腺エコー検査等により専門的に診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。